▼ テスラ・モデル3発表 これは間違いなく「買い」でOK
2017/06/09
【新着記事】(鮮明な動画が公開された)
【本文】
テスラからのはじめての ”Affordable” な価格帯のモデル3が発表されました。
(バッテリーと航続距離について質問をいただいたので、その答えを下端に貼ります)
デザイン上のポイントは、世界で始めて、「エンジンのためのグリルがない」ことを強調していることです。
普通の車は、エンジンを冷却するために「ラジエーター」と呼ばれる、エアコンの室外機みたいなものが先頭についています。
(出典)上の写真は、そのラジエータ交換をしているところ。(腐食や飛び石で壊れて、クーラント液が漏れるようになるとオーバーヒートしてしまいますから交換が必要になります。高価な部品です。)
で、このラジエーターに風をあてて冷やすために、エンジン車にはかならずフロントに通気口がついています。そのカバーが「グリル」なんですね。横桟だったりメッシュだったりしますが、これがいままでの「車の顔」の重要な一要素でした。
モデル3は電気自動車のためエンジンがありません。ですからエンジン冷却のためのラジエーターも不要で、こんな風にフロントを塞いでしまう事もできるというわけなんです。(注:エアコンとバッテリー冷却用の小さなラジエーターは下の方についています)
フロントが「のぺっ」としているので、賛否(好み)が別れるところですね。しかしこういったフラットなデザインは、ユーザーの好みであとから自由にできる(例えばグリルを貼れば良い)のでOKです。逆に、一部の車のように、凸凹に作られてしまうと、あとから付加物をつけることは難しく、そのまま使うしかないというわけ。
ホイールは3種類あり、ユーザーの好みに合わせられ、全体のフォルムもOK。インテリアもまあまあ良い(とくにシートはカッコ良い)ので、全体として二重丸がつきます。以下のスペックと合わせ、ネガの要素が極めて少なく、確実に人気が出ますので、安心して予約してOKだと思います。下の動画は全方向から回ってみていますが、カッコいいですね。
- 価格35000ドル(日本円換算390万円)
- 最廉価モデルでも0-100km/hは6秒以下
- 航続距離は215マイル(344キロ)。販売までにそれ以上を目指す。
- 自動運転機能(全車標準!)
- スーパーチャージャー(テスラ規格の超高速充電)対応(全車標準!)
とイーロン・マスクCEOから発表されました。イーロンさんは、「仮に35000ドルのもので、全くオプションを付けなくても、それ自体がamazingな(驚くべき)車で、非常に良い車です」と強調していました。私もそう思います。素のままで、ギリギリで購入しても、きっと楽しく使えて愛情を注げることでしょう。プリウスより燃料費が安く、回生で減速するのでブレーキパッドも減りません(ホイールを汚くする粉もでにくい)。オイル交換も不要。保険も優遇。税金も優遇。買ったあとは維持費が少ない車でもあります。
なお、速さの例えとしては、同じような車格の ベンツC180の0-100km/h加速は8.2秒、BMW320i 7.3秒で、まったくお話にならないほど違います(1.5秒違うと、6秒後には50メートルはるか先)。
45000ドルの高価なスポーツモデルのBMW 335iで 5.2秒 、55000ドルの豪華スポーツサルーン535iは 5.7秒。つまりModel3の最廉価版で、ツインターボの535iと同じぐらいということです。加速性能だけで言えば、ざっくり100〜200万円もおトクというわけ。
ちなみに、シングルモーターのモデルS P85 とデュアルモーターのP85Dですが、0-100km/h加速でたった1.2秒違う両車にはこんなに差がでます。踏んだ瞬間にはっきりと分かるのは驚きですね。
もちろんいつもこんな加速は必要ありませんよね。でもこれは余裕の証明。信号が青になった時に、すっと出られるというのは、意識せず誰もが経験できることで、常にこの気持ち良さが味わえます。このあたりが、電気自動車(EV)がいままでの「我慢のエコカー」「ストイックさを楽しむエコカー」ではなくて「爽快エコカー」である所以です。
実は、エコカーがあまりにゆっくり加速すると、最大加速効率でないので燃費が最良にならないし*、なにより後続車に不要な低加速を強いて「エコカー渋滞」を惹起するので社会全体としては燃料消費が増えます。都会、たとえば環7のノロノロ加速エコカーは、自分自身はそれなりにエコかもだけど、巨視的な観点ではそうではない、ということは今まであまり意識されませんでした。
EVはこういった問題を根本的に惹起しません。難しい「理想加速」以外の条件でも、寒い時の暖気時にも、あなたがどんなドライバーであろうと、有害な窒素酸化物を、生活の場である道路に出しません。田んぼや畑の脇を通っても心が痛みません。ガソリン車に乗っていると感じませんが、冬の寒い朝、EVのフロントウィンドウから前の車をみると、白いガスがでているのを、強く意識することになるでしょう。Model3がそばにあれば、あなたはぜんぜん違う概念として道路上に存在できるのです。おまけに燃費は、ガソリン換算で50km/Lを超えます。
*車は低速のギアで走っているときは燃費が悪いので、あまりにゆっくり加速すると、低速ギアを使用する時間割合が増え、燃費の良い高いギアで走る割合が減るので、燃費が悪くなる。
・・・
そのほか、ガラスルーフが後ろまで回りこむようなサンルーフの設定があるということも発表されました。リアの上方からみたこの写真は掛け値なしに美しいですね(以下の写真の出典)。
ディスプレイがモデルSのような埋め込みでなく、パソコンのようなのでちょっとな〜と思う人もいるようですが、35000ドルの車でこれだけ大きなディスプレイ(品質)を具備した車は他にありませんから、むしろよくやったという感じです。
最初に出てきたのがこのフランツ・フォン・ホルツハウゼンさん。オランダ人です。昔マツダ車をデザインしていました。
ドアハンドルの形状が、L字型(新デザイン)とモデルS型のものがあるという指摘が・・・手前の(モデルS型)は、よりプロトタイプなのかもしれません。
質問(航続距離について)
↓ タテ軸が走行可能距離(マイル表示, 1マイルは1.6km)、横軸が積算走行距離。一番多い車は7.6万マイル(12万キロ)走行しているが、10%強の低下程度である。
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