▼ 新型テスラ・モデルSは自由落下より速く加速する
2017/04/24
[写真:ピサの斜塔の屋上から。著者自身が撮影]
バンジージャンプで真っ逆さまに落ちるとき、我々の体は1Gで下向きに加速(9.8m/s2)をします。「それよりも速く加速する」というクルマに乗ると、どんな感じがするのでしょう・・・
2015年7月17日(日本時間18日)、米テスラ・モーターズのイーロン・マスクCEOは、同社の電気自動車「テスラ・モデルS」の改良版を発表しました(英語記事)。最高の性能を誇る「P90D」は、以下の加速性能を有しています。
- 0 → 60 mph(≒ 0 → 100km/h) 2.8秒
- 0 → 1/4 mile (≒ 0 → 400m) 10.9秒
- 最大加速度 1.1G
これまでの最高性能のP85Dの最大加速は1Gぐらいでした。そのクルマに乗った人の反応は以下のようです。いままででもこんな風なのですから、、、、 びっくりしますね。(調子に乗ってはいけませんね)
P85D(2014年秋発表されたデュアルモーター車。0-100km/h加速3.2秒=これまでの最高性能)は、普通においてはとてつもなく速いP85(シングルモーター、0-100km/h加速4.4秒)を置き去りにします。以前のブログの記事で「月とすっぽん」の加速の違いと書きましたが、こんなに違います。)
もはや最速のPure EVに追いつくのはガソリン(+ハイブリッド)方式では難しいかもしれませんね。
※追記 Ludicrous(ルーディクラス)モードと、「Ludicrous + 」モード
2015年夏発売のP90D、および2016年冬に追加されたP100Dでは、「スポーツ」と「Ludicrous」(ルーディクラス;馬鹿げたの意)の2つのモードを選択できます。P100Dにおける0-100km/h加速は、後者を選択した時、2.7秒となりました。
さらに、「Ludicrous」のボタンを長押すると、裏モードの「Ludicrous +」になります。この状態では、2.5秒あるいはそれ以下になることが多くの自動車雑誌のテストで報告されています(最速の結果は0-60MPH で2.28s)。この速度は、2017年時点に販売されているすべての車の中(スポーツカーも、ブガッティ・ヴェイロンやフェラーリのようなスーパーカーもすべて含めて)で最速であると考えられています。
この状態では、通常の表示とは異なり、右メーターパネル内にバッテリー温度、左に加速度計が表示されます。バッテリー温度が50度に達していることに注目してください。(Ludicrous + モードに入ると、最大化学反応が得られるように、バッテリーを温めます)。
なお、通常と異なり、テスラの車体が透けて、内部のモーター(エンジンないのでモーター!)が見えるようになる、という凝った仕掛けになっております笑
↓最大加速をした時の様子。11.1m/s^2 が表示されています。重力加速度(G)になおすと1.13Gに相当します。この車両は21インチホイール装着ですが、軽い19インチホイール装着車ではさらに加速すると思われます。(VAL=Value; その瞬間の値、PEAK=ピーク値)
【関連記事】
◆P85Dでも加速度は1Gに達していた(YouTube英語)
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