▼遙かなる冥王星=7月14日へ向けてカウントダウン
2017/04/24
探査機が近づいている
2006年に打ち上げられた冥王星探査機 “New Horizons“(単数じゃなくて複数形として名付けられているんだよ〜)が、とうとう冥王星に近づいてきて、7月14日の再接近に向けて超大フィーバーのカウントダウンが始まっています。僕が中学生の頃、パイオニア10号が木星のそばを通りぬけ、超ド級の写真を送ってきてから40年近く経ち、ようやく我々は冥王星のクローズアップ写真を手にするのです。
そのときどのぐらいすごかったかっていうと、それまではこんな感じだった木星が、
(これはマウナケア山のすばる望遠鏡。当時はパロマ山の508cmというのが最大で、画質はやはりこんなもんだった)
↓
↓こんな風になっちゃったんです。まさに超ド級。ビビりましたよ。
冥王星:惑星から準惑星に
さて冥王星。打ち上げた時には冥王星は惑星だったけれど、その半年後の国際天文学会議で「準惑星」になっちゃった。発見者のトンボーはアメリカの人で、「惑星を発見した(唯一の)アメリカ人」ということでアメリカの誇りだったのです。
だからこのときの会議は政治的な思惑もあり、ものすごくもめました。いつもならオタッキー天文ファンのみが知っているだけの会議の行方に皆が興味を持ったのです。たしか何日か議論していて、ニュースが流れるたびにドキドキしました。
最終的には科学的な結論に導かれて、冥王星は、惑星から外れました。他の惑星は非アメリカ人により発見されたので、惑星を発見したアメリカ人は、いなくなってしまった・・・でも、科学的に純粋な議論が最終的に採用されて、あのとき「科学者っていいなぁ」って思ったことを思い出します。
新しい発見?極冠の存在
今日の写真は、まだ1億キロも離れているのに*、もう新しい発見がありました。冥王星には(多分火星で見られるような)極冠があるのです。これからは、1〜2週間毎に、すごい発見の連続になるのではないでしょうか。
*1億キロ:太陽から地球までの距離が1億5000万キロ。
(写真)
http://www.nasa.gov/sites/default/files/thumbnails/image/15-078.jpg
ちなみにLORRIは長距離(用)探索カメラのことです(telescopic Long-Range Reconnaissance Imager (LORRI) camera)。Google画像検索すると面白いですよ。冥王星から逃げ出した大気を調べる装置はPEPPSIっていうんです。洒落てますね。
右下の衛星は、僕が17歳のときに発見された衛星カロン(英語の発音はシャーロン)。5/1に見たサイトでは、動画になっています。この動画が面白いのは、冥王星も共通重心の周りを回っている様子がとても良くわかることですね〜。スゴイ!
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