MRIで知る入浴の効果 Effect of taking bath – Japanese ONSEN – visualized with MRI
2017/04/24
[Switch to English] 日本人は入浴、とくに温泉が大好きです!外国人には頻繁に入浴するという習慣はないそうですが、興味深いレポート*によると、毎日入浴する人は、シャワーだけの人に比べて睡眠の質が良かったり、幸福感を感じる割合が多いんだそうです。「来日外国人の増加に伴って温泉が注目されている」というTV放映も最近ありましたね。
日本では、温泉の画像というとこんなJapanesqueなものだったり・・
では、MRIで、お湯に浸かるとどのような効果が現れるのか、実験してみましょう!
いよいよMRI撮影!
撮影をしてくれたのは、光生会病院の技師さん、伊藤智章さんです。いつも全力投球、来春の放射線技術学会総会では、上位10%の演題に選ばれ、英語で発表します!
なぜか図ったようにお猿さんと構図が同じだ・・ (^^)
で、被検者はワタクシでございます! いまダイエットに成功しかなり痩せましたが、これは10月の写真なので、まだ若干体重がございます〜。
写真ではわかりませんが、右足は水道水(約15度)、左足はお湯(約43度)に5分間浸けます。すっごく変な感じで、熱いのか、冷たいのかよく分かりませんでした。この感覚はとても不思議。ぜひ体験してみてください!
撮影は、Phase Constrast法で、Non-contrast MRAを撮影しました。VENCは10cm/sです。(MRIに詳しくない人のための解説を文末に書いておきますね!)
撮影結果はどうでしょうか!?
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・・・・・!!
ぎょわー
別の角度 びょえ〜
びっくりしました。本当にほんとうにビックリしました!まさかこんなに差が出るなんて!右足、ほとんど描出されていませんが、左足はびょんびょんに血行が良くなって流れています。入浴するだけでこんなに差が出るんだ!「ぼ〜くらはみんな〜い〜きている〜・・」「足のひらを太陽に〜」かざしてみたくなります。
それにしても、被曝がゼロのMRIは偉大。こんな実験ができるんだもんねぇ。
・・・というわけで、ワタクシも温泉を楽しみたいと思います! 湯温1度の違いでも期待できる効果が違うようで**、面白いですね。
MRIに詳しくない人のための技術解説
MRIでは、造影剤を使わなくても血管の撮影ができますが、これを非造影MRA(Non-constrast MR Angiography)と言います。
いくつかの方法が考えられているのですが、有名なのは、脳血管の評価に使う方法(TOF法)です。こんなの見たことある人は多いのではないでしょうか。
そのほかに、静脈などに撮影する方法として古典的なものに、PC法(Phase Constrast法)というのがありまして、今回はそれを使いました。この方法は、「流速と信号強度に正の相関がある」ので、設定条件をきちんとすると、「遅い血流=信号が低い」「速い血流=信号が高い」となります。この例のように、足の血管の写り方に差があるのは、「右足の血流がとても遅いのに」「左足の血流がとても速い」からなので、入浴した左足の血行がすごく良くなっていることがわかるんですね。すっごい効果ですよね〜。
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Comment
研修医時代、点滴ルートが取れない時に、穿刺部位を温めて貰ったことを思い出しました‼︎
こんなに劇的に変化してるんですね。ビックリしました。
そういえば、穿刺が困難なときに温めますね。めちゃ効果があるんですね〜。