7Tのすごい磁力 = 渦電流で椅子が倒れなくなる
2017/04/24
今日のお話は、ちょっとムツカシイので、まずは現象を見て下さい!
↓ これは、椅子を傾けて、パッと離したときの様子です。当然、すぐに地面に着地しますね。
↓ ではMRIのそばではどうでしょうか。
1.5テスラ(15000ガウス)のそばでも、ほとんど変わりません。
↓ ではでは、7テスラでは・・・
びっくりしますよねぇ。最初は永遠に静止したままになっちゃうのかな、と思うぐらいです。
ゆっくりゆっくり倒れていきますね。
これは、「渦電流」という電流の効果なんですね。「レンツの法則」という法則があって、「渦電流は、磁場の変化を妨げるように流れる」んです。椅子が倒れようとすると、強い磁場のなかを横切りますね。だから磁場の変化を生じます。そうすると、椅子の中に、それを打ち消そうとするように電流が流れて、阻止するのです。この現象は、電車のレール用の「渦電流ブレーキ」に使われているそうですよ。
ちなみに、1.5テスラでも、かなり強力ですよね。なのになぜこんなに簡単に倒れちゃうかというと、実は1.5テスラのMRIは、「アクティブシールド」といって、なるべく磁場が外に漏れないように設計されているんです。これに比べて、7テスラの装置は、一応人間には使えるのですが、まだ商用機として成熟していないので、アクティブシールドになっていません。そこで外部に磁場が漏れ漏れなんです。だから、こんな風に強力なブレーキがかかるんです。
・・しかし、7テスラ恐るべしという感じですね (^^)
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