演奏旅行(心弦二胡教室)@香港
2017/04/24
3年ほど前から二胡を習うようになり、今回はじめて、演奏を主目的とするツアーに行ってきました。この写真は二胡を持ちながら空港内を歩いているときの様子です。飛行機には数多乗りましたが、まさか楽器を携えて乗る日が来るとは(笑)
きっかけは、プラネタリウム+二胡コンサート
小学校のピアノ以来、音楽とは縁遠かった自分が二胡を習うようになったのは、川崎市生田(いくた)にあるプラネタリウムのリニューアルに際して一度だけ開催された、「二胡と星空の夕べ」という特別イベントに学生たちが誘ってくれたことがきっかけです。
中・高で星空観察に夢中だった私はもともとプラネタリウムが好きですし、今回生田に導入されたプラネタリウム「メガスター」のことは、発明者である大平貴之さんの著書「プラネタリウムを作りました」を読んで、それがもたらした革命に、もう涙モノに感動していたので、もう一も二もなくこのイベントに参加しました。誘ってくれた学生には本当に感謝しています(大平貴之さんにもその後、会うことができました)。
上は大平さんの著書の表紙。満天の星空、超リアルな天の川が流れています。下にはメガスター(プラネタリウム装置)があります。
この満天の星空の下で、ウェイウェイ・ウー先生が奏でる二胡の音色にものすごくしびれてしまい、終演を待てず、わずかな休憩時間に勢い込んで電話をして申し込みをし、今日に至るという次第。「いつかもう一度あの感動を」と思い、企画を受けてくれるプラネタリウムを探しています。
到着したその日に演奏
総勢70名という超大型グループとなった我々は、羽田組と成田組に別れて香港を目指し、午後2時過ぎに香港国際空港で合流。車窓からの香港の遠景に思いを馳せたのも束の間、ホテルには行かずそのまま会場入りとなりました。
控室に入るとすぐにウェイウェイ先生の説明が始まります。いつもニコニコな人なので、和気藹々とした雰囲気です。心弦二胡教室が教室として成功している(生徒が増えている)のはこの雰囲気があるからだと思います。
マネージャーの小山田さんからも説明がありました。小山田秀根さんは、「レベッカ」と「プリプリ」の、とてつもない商業的成功を導いたマネージャー。すごい人がしているんですね。
会場の席に着いて、ステージを確認します。この法被(ハッピ)は、今回の演奏旅行にあわせて作られたもの。背中の「心弦」というロゴと、桜がとても素敵なデザインです。
これはステージに上ってリハーサルをしているところ。僕は末席を汚させていただいております。
その後(写真はないけれど)本番のステージで3曲を弾いて、ホテルに戻ったのは0時近く。みんな「がんばったね〜」と励ましあうのも束の間、翌日に備えダッシュで寝ました。
翌日がコンクール(だった!)
初日ですでに「やったぞ感」満点のワタクシでしたが、実はあれは懇親演奏みたいなもので、今日がコンクールの審査の対象となる日なんだそうです。そういう訳だったのか (^^;;
6時起床、6時半に朝食、それからホテルの部屋のなかで練習に次ぐ練習(練習不足だったから笑)、息つく暇もなく9時に出発です。寝不足ですが、ウェイウェイ先生はこのように全開。いつも元気に楽しく、幸せにいたしましょ〜。
到着後、ウェイウェイ先生から曲に関する説明があったのですが、この直前のタイミングになって、なんとアレンジを変えるということに。すごい。すごすぎる。一体なんて度胸があるんだろう。演奏中に、二胡の演奏を一時中断して、その代わりにそこは「合唱」するというのです。合奏(がっそう)じゃなくて合唱(がっしょう)です。歌うんですよ。で、ぼくも「ああ〜〜〜」とか感動的に歌ったりしました。
これは上級クラスが審査員の前で本番を弾いているところ。表情が「もう二胡が好きでしかたがない!」という状態になるのがデフォですはい。
自分も参加する2曲めは、前述の「ああ〜〜〜」のアレンジが馬鹿受けしてですね、もう審査員が涙モノの感動をしてくれたんです。それで、みんなで「やったー!、おつかれさま〜!」となりました。これはその時の写真。秘密のかけ言葉により、すごく皆よい表情でございます。
「よ〜し、これで終わりだぁ!!」と思いましたが、よく聞いてみると、夜に審査発表があり、優勝などした場合は、明日もステージに上る可能性があるんだそうです。デューティを果たしたので、「完全りらっくま状態」に遷移しようとしていたのですが、念のため気を引き締めて寝ました。昔は身体は引き締まらなかったのですが、今は割と引き締められますハイ。
夜中の3時に優勝の一報が
みんな夜遅くまで審査発表を待っていたのですが、他のグループの演奏が深夜まで長引いたらしく、ぜんぜん連絡が来ません。翌日は(優勝の場合は)午前7時半の出発予定ですので、生徒は、0時過ぎには寝た人が多かったと思います。
ウェイウェイ先生の部屋には、なんと午前3時に、「少なくとも一曲が伝統楽器部門で優勝した」という連絡があったとのこと。
それからが大変でした。翌日は5時半に起床、すぐに朝ごはんを食べて、7時半に出発準備を整えます。若干遅くても大丈夫ということで8時に出発。
部門優勝をしたチームはまた演奏するのです。そうだったのか!
というわけで、表彰式の悦びも束の間。
あれよあれよという間に、また演奏練習一色となりました。午前の一番目に演奏ということで、また時間限定ながら練習に次ぐ練習。いやね、冗談でなくみんなマジです。超肩こり状態もなんのその。立奏だから足も疲れるけどカンケイなし。
後で、他の方が「私たち何人かが旋律を弾いたら、それに合わせるように皆が寄ってきて、最終的に大合唱になった。あの、輪が拡がっていく様子が素晴らしく感動的だった」と仰っていましたが、けだし名言だと思いました。自分が音に包まれていったのです。なんと幸せな時間なのでしょう。
午後はアンニュイな時間・・でも閉会式に!
他のチームの演奏も終わり、昼過ぎには、残念ながら総合優勝は成らなかったという知らせが入りました。だからこれで終わりです。よくやった!という話題で盛り上がる・・・はずだと思ったのですが、なんと。ウェイウェイ先生が主催者に交渉したところ、特別に閉会式の終了間際に(大トリの直前(トリ)に)、演奏をさせてくれることになった、というのです。
もうこのあたりになるとですね、みんな目が点ですよ点。いや、逆です。ホントは違います。身体が疲れてダラーとしているけど、瞳孔だけが7mm全開の状態。想像するとちょっとコワイ。(後で聞いてみると、ウェイウェイ先生も、さすがにみんな大丈夫かなと想っていてくれたらしい)
それで、閉会式ではもうすこしアレンジをすることになり、また練習を少しして(音が余り出せなかったので今回はわりとエアで練習)、最終的に閉会式に臨みました。
演奏会は、別のところにある素晴らしい会場で、招待審査員の先生方の感動的な演奏が終わった後に表彰式が行われました。
そして最後に、心弦のチームが壇上にあがってアレンジした曲を奏で、その後閉幕となったのです。審査員の先生方の後ろでみんなで手を振って終わりだったのですが、あんなに音楽会に同化できて、一同感涙という感じでした。
幸せのとき
それでみんな上気した顔で、うれしいうれしいと言っていたのですが、その時にウェイウェイ先生に聞いた言葉がとても印象的でした。「私はこれをぜひしたかった、みんなが疲れているのも分かっていて、本当に申し訳なかったけれど、ぜひこの体験をみんなにさせてあげたかった、今はとても幸せな気持ちです」と宣(のた)まわれたのです。朝8時にホテルをでて、帰ったのは0時近くでしたが、最後まで、粘り強く、ハッピーに頑張ることにより、最大の幸せが来るんだということを教えていただいた気がします。
ホテルに戻ってさすがに疲れていたのですが、なんとなくお酒が飲みたくなり、ウイスキーを買いに行った帰りに、心弦でいつも感動的な演奏をしてくださるピアニストの森丘ヒロシさん、マネージャーの小山田さん、そして心弦講師の横関先生に、たまたまご一緒させていただき、実に楽しいお話をお伺い出来ました。
研究会があるため、一日早く戻らなくてはならず、打ち上げに参加できなかったのがきわめて残念です。しかし、とても濃い時間を過ごさせていただき、初めての演奏旅行は思い出深いものとなりました。私も幸せの弾き手の1人になりたいと思います。
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