RSNA2014 番外編4 〜 5:2 ダイエット（ファイブ・ツー・ダイエット、ゴーニーダイエット）とは

今日はRSNA最終日。最後にRoyal Marsden HospitalのDow-Mu Koh先生と、大阪成人病センターの中西克之先生と、Body DWIの話をしました。シーメンスの機械を使う機会ができるので、スキャン方法の最新情報を教えていただきました。

ところでKoh先生も、あれ〜顔がすっきりしてます。8キロ痩せたんだって。「どうやったんですか？」ッて聞いたら、“5:2 diet”って知ってる？って聞かれました。

ぜんぜん、知らなかったのですが、イギリスで流行っているらしい。Wikipediaにも載っていました（リンク）。別の人が書いた日本語のページもあります。Wikiによると、これは“intermittent fasting”（間欠的な断食、以下IF）のことで、イギリスのBBC2テレビの番組「ホライズン」の特集で、”Eat, Fast, and Live Longer”（食べて、断食して、長く生きる）という映像が放映されてからブームになったのだそうです。

気になるやり方ですが、

1. １週間のうち5日は普通に食べてよいが2日はカロリー制限（≒断食）をする。
2. カロリー摂取の目安は、男性600kcal、女性500kcal。
3. 典型的な摂取メニューは、朝食300kcal（例えばイギリスではスクランブルエッグ2つとハム、飲み物）・昼食もしくは夕食が300kcal（例えば魚か肉のグリルと野菜）
4. 断食日は連続してはいけない（が、間を１日あければ、厳密に均等な間隔（たとえば間３日）にしなくても良い。

とのことです。支持者によれば、毎日続ける（つらい）ダイエットに比べて、週２日間で済むので、やりやすいということらしい。エビデンスとしては限られていて、この報告（英文）を見ると、たとえば、(1) IFが他のダイエット法と比較してどの程度優れているのか、とか (2) IFの日に摂取する600ないし500kcalが最も適切なカロリー摂取量なのか、(3) どのていどsustainableなのか（続けられるのか）といったことが不明確だとしています。

また副作用についても若干の報告があり、不眠やbad breath（意味が分かりませんが呼吸が困難なこと？、低炭水化物ダイエットでも指摘されている）、イライラ、不安、脱水、昼間の眠気、などがあるそうです。まぁそれはそうだよね。長い報告にざっと目を通しましたが、とくにすごくすぐれているというエビデンスはなさそうでした。

でも、「週２日でいイイ」っていうのは、変わってるし、それならやろうかなっ？て思うかもしれませんね。限られた実験では、30人の、虚血性心疾患のリスクがある肥満女性に対し行ったところ、8週間で平均4kgの体重減少と6cmのウエストの短縮が見られとのことです。あと、やる前には医師に相談してから、と書いてありました。