テスラ・モデルSのバッテリーは驚異的に劣化しない ー 世界の286人の長期データから
2018/01/03
電気自動車のバッテリーは、「すぐに劣化して使い物にならなくなる」という不安をお持ちの方も多いと思います。とくに初期のリーフではこれが言われました。エコを意識してタクシーに導入したのは良いけれど、すぐに航続距離が短くなってしまった・・・というものです。
携帯やノートPCでも劣化は1年ぐらいではっきりと感じられますから、高い買い物であるクルマにはさらに不安が募りますね。
テスラのバッテリーは驚異的に劣化しない
しかしご安心ください。テスラ(モデルS)のバッテリーは、驚異的に劣化しないことが、このほど世界各地の286人のオーナーのデータから実証されました。
まずこのグラフを見てみましょう。縦軸は、もともとの容量を100%としたときの、満充電時の容量です。横軸は走行距離(積算距離)です。
赤線が中央値(トレンドライン)ですが、ご覧になって分かる通り、16万キロ(!)走っても95%を保っています。これは、ほとんど劣化しないような感じですね。日本では10万キロ走る人は比較的稀ですから、これなら安心できます。
こちらのグラフは横軸が経過日数です。縦軸は85%以上の部分を拡大していますので、一見グラフが急峻に見えますが、劣化が激しいのではありませんのでご注意。これでみても、平均的に3年でも95%を保っていることがわかります。
超急速充電のスーパーチャージャーを頻用するほうが劣化が少ない??
そして、かなり意外なのがこのグラフです。これは、「スーパーチャージャー(SC)をどの程度の頻度使うか」 vs 「平均値を下回っている人の割合(赤棒)」 です。なんと、SCを頻繁に使っている人のほうが赤棒が少ない・・・にわかには信じがたいですが、テスラ純正の超急速充電をしているほうが、さらに長持ちしているようなんですね。
いままでの常識だと、「急速に入れることはダメージを与えやすい」と考えてられていましたから、ビックリのデータです。
どうしてテスラだけ劣化が少ないのか
実はテスラのバッテリーには大きな大きな特長があります。それは、「いつも温度管理をしている」ということです。バッテリーは、オーバーヒートやオーバークールの状態だと、劣化が早くなります。ノートPCや携帯は、そういった管理をしていませんが、テスラのバッテリーは、液体で冷却・加温しているので、長持ちするのです。
「そんなことしたらもったいない」と思うかもしれません。しかし、電気自動車で最も高価なのはバッテリー。その値段からすると消費に用いる電力ははごくわずか、無視し得るぐらいのものです。ガソリン車でもさまざまな部品の劣化が生じますし、冷蔵庫だってテレビだって待機電力を消費します。ですから(モデルSが発売される前の)テスラ・ロードスターからこの機能を搭載したことには先見の明があり、また非常に賢いソリューションだと言えるでしょう。
ちなみに、500,000マイル(なんと80万キロ)走っても、劣化はもとの80%程度とのことです。
(元記事)
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