フォースの共にあらんことを
2018/01/03
レイア・オーガナ姫役のキャリー・フィッシャーさんが急逝されたとのことで、多感な中学生の頃、スターウォーズの初回興行を見た我々世代としてはとりわけ残念に感じます。
たまたま一昨日、こんなクルマを見かけて、FBに書こうかと思っていた矢先でした。偶然、眼前に現れたのです。
【解説】Down-force
“May the force be with you” はスターウォーズで出て来る、とても有名なセリフです。
Mayは、「かもしれない」の意味で使われることが多いですが、お祈りをするときにも用いられ、そのときは文頭に置かれます。
Forceは、「力」という意味ですが、ここでは、ジェダイの騎士だけが持っている特別な力のことです。プシュ~の音で登場するダース・ベイダーさんは、これを悪用してしまうわけですが、本来は正義のために用いる、とてもありがたいものであります。
というわけで、May the force be with youは、「フォースが、あなたと一緒にありますように」といったお祈りなので、聖書のような雰囲気で、「フォースの共にあらんことを」と訳されています。
ところで、ここの写真に乗っているマツダのアテンザに乗っている方は、そのもじりで、
May the “down-force” be with you
と書いています。
クルマは、横から見ると、飛行機の羽根のような形状なので、スピードを出すと揚力(ようりょく:上向きの力)が働きます。空を飛ぶための飛行機にはこれは役立つわけですが、車の場合は、道路への接地力が弱くなって浮き上がり、ハンドルが効かない原因になります。
時速130キロぐらいからこの揚力が強くなり、160キロ以上になるとステアリング(ハンドル)の軽くなるのがはっきりと感じられるものです。ですから、飛行機の羽根と上下逆向きの感じで小さな羽根を付加することで、この力を消して、むしろ高速走行時に道路に押し付けるような力を発生させようという工夫がなされます。この下向きの力を「ダウンフォース」と言います。
また、そのために付加する羽根(部品)のことを、「スポイラー」とか、単に「ウイング」などと呼んでいます。スポイラーは、「(浮き上がりを)妨げるもの」の意味です。こういった部品は、フロントや屋根にも付けることがあるので、「空力付加物」と総称されます。
私は、速度無制限で有名な、ドイツのアウトバーンをかなりたくさん走りました。日本では信じられないことですが、追い越し車線上を走る車は、普通180〜200km/hで走っていて、みんなで走っていると不思議なことに違和感や危険な感じはしないものです。
こういった状況では、スポイラーなどの空力付加物があるとないとでは、200km/h付近での安定性がぜんぜん違うことを経験しました。ちなみに100km/hでは大した効果はないので、日本においてはファッション的な要素が強いものですが、それでも高性能車の証のように感じられるせいか、皆さん付けたがります。
・・・というわけで、「ダウンフォースの共にあらんことを」というジョークで、この車のドライバーさんはシールを貼っているのですね。
いろんなところに “Force”を我々は感じています。キャリー・フィッシャーさんのご冥福をお祈りします。
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