放射線科医・MRI専門家の高原太郎個人ブログ

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▼「話すより10倍ラク! 聞く会話術」

      2017/04/24

西任暁子さんとランチ・ミーティング

をさせていただきました。苗字は「にしと」さんと読みます。珍しいですね。知り合ったきっかけはわずか数分間の偶然でした。最後に触れたいと思います。

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西任さんは、プロの話者で、ラジオDJの仕事を経て、現在「話の学校」などでご活躍です。以前、「ひらがなで話す技術」という本をお書きになりまして、「やまと言葉で話すと良い」といった、納得の理論を展開されていました。

僕は学会の座長で「フランクな」あるいは「ぶっちゃけた」雰囲気で話しますが、根底には「やまと言葉」を意識しているので、とても共感した覚えがあります。

新刊に猛烈な興味

そのときは、まあ自分の得意分野でもありますから、「そうそう、この通り」と思ってフツーに通り過ぎたのですが、西任さんが出された2冊めの本 ー 「話すより10倍ラク! 聞く会話術」という本に猛烈な興味があり、本日の再会をリクエストした次第。ありがたくも、直々にサインもいただきました。

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どれだけ興味があるのかは、これを見て下さい。僕は学生さんに、線を引く時には「赤・青鉛筆」(写真)を第一ステップとして使い、2回め以降に読むときに、最重要部分に対してのみラインマーカーを使用することを推奨しているのですが、ミーティングの前にだいぶん気合が入っている様子がわかります (^^)
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とりあえずの内容紹介

どうして猛烈な興味があるかは次に触れることにして、この本の概略について簡単に箇条書きでご紹介したいと思います。

  • 「はじめに」からめちゃ読みやすい。
  • 読了まで3時間もかからない。30分でもとりあえず満足できる。
  • まずは「話が苦手」「話始めるのが恥ずかしい」人向け。
  • 「初級」→「中級」→「上級」という流れがあり、15分ぐらいのまとまりで読める。
  • 「インタビューをする際のテクニック」といった体裁をとっている。
  • しかし根底に流れるのは、むしろ「気持ち」、とくに相手に対する気持ちや「プレゼント」という親切感

・・・えっ? 簡単すぎますか? うーん、でも、内容について細かく記しても、著者の筆致にはかなわないのでユルシテ (^^;;

僕の悩みを解決してくれた、本当にありがたい記述

自分は(自分でかくのは面映い(おもはゆい)ことですが)、友達からはこんなふうに評価してもらっています。

  • 本音を話す(科学的にも、日常会話でも)ー あまり表裏がない。
  • わりとあからさまなこと、それを恥ずかしく思わないこと。一番目に質問の手を挙げる。
  • 著書がわかりやすい。
  • 研究会でのプレゼンは時間を忘れて聞ける。
  • 話し好き

2番めなんかは、欠点でもあるのですが、自分のパーソナリティとして、全体的には概ね満足しています。

しかし、聞くことには相当な苦手意識があります。どうしてかはわからないのだけど、「どうも苦手」といった感じでした。「一生の問題だなぁ、でも歳も取ったし、治らないかな」なんて漠然とあきらめ加減でいたのです。

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だけどこの本を読んで、「どうして苦手なのか」をアドレスできて、その上、「ああ、こんな風にできれば良いんだ」という解決法が見つかりました。まだそれが実践できるかはわかりませんが、とにかく、解決法が見えた。それがうれしくて興奮したのです。

自分の想定と違う返答のときに、会話を続けること

この本を読んで、自分が苦手なのは、「(普通に)聞く」ことではないことが分かりました。よく考えてみると、会話はやりとりですから、いつもそれなりに「聞けて」はいるんです。上手な人には及ばないけど、普通のシチュエーションなら大丈夫。

苦手なのは、「自分の意見が違う返答が返ってきた場合」に(おいても)聞くことだったのだ、とはっきり認識できたのです。

本ではこんな例がでてきます。

  • 話の相手がワインを飲んでいました。そこで貴方が「ワインお好きなんですか?」と聞きました。
  • そうしたら、「いいえ」と答えが返ってきた (^^;;;;;
  • 気まずい雰囲気・・・どうしたら良いだろう。

・・・答えをみて、あ、そうなんだ、なるほど〜って思ったんです。やっぱこういうのがすごい苦手だったんだ!って、気づきました。いままでは、「ズバリと反論しちゃダメ!」「でも、科学者のはしくれだから、意見があわないときにも、臆せずきちんと言うべきだし」という心の葛藤があったんですが、そういう考えのベクトルが、この状況にそもそも相応しくなかったんだな〜って。

意見のぶつかり合いでは、もっと深刻な時がありますよね。「えっ、その考え方はどうなの(-_-;)?(=自己中心的すぎる、倫理的にマズイ)とか「まさかそういっちゃダメでしょう」と感じるとき、ありますよね。この本では上級編として、そういった場合の対処法も書いてあります。「話が苦手な人」が想定読者だけど、実は「話が得意な(だけど悩みがある)人」にもいいんですね。

「心」が根底にある

最後にもう一度付け加えたいことですが、この本を読んで、また西任さんを読んで感じることは、なにかを行うために「術(すべ)」を知っていることは大切だから学ぶのだけれど、その根底には心がある、ということです。だから単なるテクニック本ではないです。2時間のミーティング中、その雰囲気がずっと流れていて、心地よかったです。

頂いたサインはこのようなものです。「花実相兼(かじつそうけん)とはどういう意味ですか?」とお伺いしたら、紀貫之が書かれた言葉で、(西任さんの書かれた本に準拠した書き方をすると)頭と心は、両方がそろってはじめて効果を発揮するといった意味のようです(頭=表現、心=内容)。
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余談 西任(にしと)さんとの出会い

西任さんと僕が出会ったのは、非常にレアなワンチャンスでした。その日僕は、テスラの試乗車(モデルSではなくてロードスター)に乗っていたのですが、立体駐車場から出すときに、次の番で待っていた* 西任さんに「これは何ですか?」と聞かれたのです。「電気自動車で、そのうえスポーツカーなんです」などと(思わず)熱く話してしまいました。名刺交換をして、その以来FB上で友達でした。そして本日の再会となった次第。
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テスラは、それ自体がきわめてよく出来た車ではあるのですが、それ以上にはるかに価値があるのは、テスラに乗っていることで思いもよらない人と知り合えることです。皆が声をかけてきてくれて、あるいは、友達が「この人はテスラに乗っているんですよ」といって紹介してくれて、どんどん世界が広がっていきます。これは、医学という領域に縛られがちな自分を広く世界とつなげてくれるプライスレスな道具だと、最近感じています。


 *西任さんは、八重洲ブックセンターでよくトークイベントをされるそうで、その際に車で来られるとのことです。過去15回のうち14回は、八重洲ブックセンター近くに駐めていましたが、僕とあった日だけは、たまたま他のイベントもあり、自分の駐めた駐車場に駐められた、とのことでした。偶然にも感謝。

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