放射線科医・MRI専門家の高原太郎個人ブログ

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●ドゥイブス法は、どんなMRI装置でも同じ画質なの?

・いえ、残念ながらはっきりとした差があります。いままで皆さんは、MRI検査は全国どこでうけても同じ値段なので、同じようだと思っていると思いますが、装置により全然違うのです。ブラウン管の17インチのTVと、4K画質の50インチのTVぐらい違います。考えてみれば、科学技術の粋を集めたものなのですから、大きな差があって当然ですよね。

・また、理屈もよく知らずに、推奨しない方法を堂々と使っている施設も多く、内容的にひどいものも見受けられます。

・下の写真はとても良く撮影できる装置のひとつを用い、ドイツで撮影してきた乳房の画像ですが、装置が最高のものであっても、撮影法を間違うとこんなに違うのです。みなさんは、上の画像と下の画像、どちらで撮影してほしいですか。

・ドゥイブス法は、最低でも3分(全身用)あるいは5分(乳房用)が必要です。ですから、これ以下の時間で撮影したものは、必ず画質が悪くなります(よくなることはありません)。放射線科医と診療放射線技師の良心が本当に大切なところです。ちなみに、どんなに条件をはしょっても、保険点数は同じだけもらえます。

・この状況を改善するために、Body DWI研究会(ぼでぃー・でぃーだぶりゅあい研究会)を作り、画質の向上を目指しています。医療関係者なら誰でも参加できます(次回研究会は8/27(日)品川)。ドゥイブス法をきちんと撮影しているかどうかは、その病院から、スタッフがこの研究会に来て最新の内容を勉強しているかどうかで判断してくだれば良いと思います。

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公開日:
最終更新日:2017/07/24