線虫を使って癌を早期発見 – 開発者の広津崇亮(ひろつ・たかあき)先生にインタビュー (2)走行性の面白さ
2017/04/24
(2)走行性の面白さ
研究内容の概要については、九州大学のプレスリリースが、かなり詳しいところまでよくまとまっているので、最終ページのリンクをみてください。このブログではまず、線虫の「走行性」の面白さについて説明します。
↓これは広津先生からいただいた動画で、30分のタイムラプス画像になっています。左側の2つの+印のところに、線虫が好きな匂いの一つ(ベンズアルデヒド)を置いて、真ん中に線虫を放つと、線虫がどんどこ好きな匂いのほうへ寄って行くんです!
↓線虫ってどんなのだろう?ということで、実際にシャーレに入っているのを見せていただきました。ここでもまたもや広津先生とてもいい表情です!
↓「あれっ?いないんですけど・・・」って一見思うのですが、寒天培地の上になぞるように付けた大腸菌にそって、ホコリのようなごく小さな点々が無数に見えます。これがC.elegans(シー・エレガンス)という名前の線虫。おしゃれな名前だけあって(?)めちゃくちゃ小さい!
↓ということで顕微鏡を覗くわけでございます。
↓で、覗くと、あーいましたいました。すごくちっちゃいのがたくさん。このC.elegansという線虫は、意外なことに土壌中にいるんだそうです。「がんスクリーニング」だから、人体内にいる(寄生虫)だと思っていたのですが、まったく違うんですね
[写真は、顕微鏡にiPhoneをくっつけて撮影しました。「コリメート法」というんですが、このように周りには写らない部分(ケラレ)を生じます]。
↓動画もとってみたので、その動きをご覧ください(音が出ます)。サインカーブのような動きをして進んでいくんだそうです。
では次は、このニョロニョロくんを使ってがんの診断をする様子を書きますね。
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