TARORIN.COM

放射線科医・MRI専門家の高原太郎個人ブログ

*

ソフトバンクワールド2016 孫正義氏 講演内容リアルタイム速報

   

孫正義さん講演要旨(SoftBank World 2016   2016/7/21)

記録 東海大学工学部医用生体工学科 高原太郎

PDF= 孫正義さん講演要旨

今回の孫さんの講演では、ARMの買収と、それに至った理由について詳細が述べられた。全体を通して強く感じたことは、シンギュラリティーに向かう世界に対応するために、孫さんがどうしても不可欠だと考えていたARMの買収に成功したことへの「快哉」の吐露である。19歳の時に、はじめて見たコンピュータチップの写真に感激を覚え、その写真を後生大事にアクリル版に挟んで下敷きとして用い授業に臨んだという思い出は大変印象的であった。そして今、そのチップを本当の意味で手に入れて、2045年の到来が予測されているその特異点への準備をしようと言うわけである。

▼ARMの買収

・2週間前にトルコの港町ではじめてARMの会長に会って買収を提案した。通常は6ヶ月かかってもおかしくないものを2週間で完遂できた。

・その直前にはフランスのテロ、その直後にはトルコでのクーデターがあり、その狭間でチャンステイクできた。

▼シンギュラリティー

(高原注:コンピュータの知能が、人類の知能の総和を超える時のことを指す。2045年に到来すると言われている。人類の知能を超え、かつものすごい速度でそこから進化するため、その点から先の未来は人間には予測できなくなると考えられており、この意味で、「技術的特異点」と言われている)

「知っている人はどの程度いますか」と孫さんが質問

・ 会場では5%ぐらいしか手が挙がらなかった。
・ 普通は1%ぐらいしか知っている人がいないそうである。(高原注:ものすごくびっくりした!)

・ シンギュラリティーを考えて、行動した結果がARMの買収である。
・ 今、直ちに行わなければならないことを考えるべきだ。

▼ソフトバンクの原点

・18年前にあるものに巡りあった。カリフォルニア大学バークレー高校在学中に巡りあった写真

・ 生まれて初めて見る不思議な写真。未来都市の設計図のように見える幾何学模様の不思議な写真だった。

・ 人差し指の上にのるほどの小さな破片が、コンピューターであることを知った。今までは「どでかいもの」だと思っていたコンピューターがこんなに小さな構造物であると知り、感銘を受けた。涙がとまらなかった。遂に人類は自らの頭を超えるものを自らの手で作ってしまったと感じた。それは恐ろしいようでもあり、あるいはワクワクもした。

・ その写真を切り取って、クリアファイルに挟み込んで、枕の下において、あるいは携行して、ノートを取るときも下敷きにしていた。そのぐらい興奮した。40年間その興奮を潜在的に持っていた。

・「あの40年前の感動にもう一度会える、会ってこの手で抱きしめたい」という思いが叶った。僕は、その興奮が冷めやらない。

・ これからの人類、シンギュラリティーのキーワードだと思っている。

・ SBはパラダイムシフトのために存在している。

・ 電子辞書は僕が世界ではじめて作った。その特許をシャープにライセンスした。19歳の時に、はじめてお金を手にした経験でもあった。学生の夏休みで作った工作のようなものだったけれど、スピーチシンセサイザーまでつけて作り上げたものが商売になった。

▼ソフトバンクの挑戦

・ つねにパラダイムシフトのために、一直線に努力してきた
・ そのときそのときの最も重要なパラダイムシフトを拾ってきた。

・ 最初は出版、次にインターネット。Yahoo Japanに投資をした。
・ インターネットがパソコンからモバイルになったので、2兆円かけてボーダフォンを買収した。

・ 人類史上最大のパラダイム・シフトは、すべてがインターネットに繋がること、シンギュラリティー(技術的特異点)の到来。
・ 人類全ての脳を、上回る瞬間。

・ アインシュタイン、レオナルドダビンチなどはIQ200。シンギュラリティーが来た時の人工知能は10,000。人間はとても叶わない。

・ それを「人類を幸せにするために」前向きに捉えている。

・ ワンチップの中のトランジスタ数は、2018年に脳細胞のニューロン数(300億)を超える。
・ それが、2040年には、100万倍の3000兆になる!

▼シンギュラリティの鍵

・ 3つある= AI, スマートロボット、IoT
・ その全てに「チップ」が関与している
・ このチップをどのぐらい世界中に配ることができるか。

・ いまから20年以内に、ARMは今から一兆個のチップをこの地球上にばらまくことになる。
・ 地球上の森羅万象のデータを吸い寄せる。

・ 次のパラダイムシフトは、IoT。
(高原注:Internet of Things: モノのインターネット。「モノ」の中にチップが埋め込まれていて、そのモノの存在場所(移動)、存在状態が分かり、あるいはそれに命令を下せること)

 

▼ソフトバンクの成長戦略

・ ARMはSBの中核中の中核になる
・ ARMは、会場では4割ぐらいの人が知っていた(挙手の結果)

 

・ ARMビジネス

・ ARM(プロセッサの開発)→半導体メーカー(チップの開発・製造)→様々な電子機器
・ RENESAS, ST, SBOROADCOM, NVIDIA, HUAMWEI, TSMC, SAMSUNG< QUALCOMM< NXP, SPREADTRUM, MEDIATEK

 

・ 様々な製品がARMアーキテクチャを採用

・ 去年1年間で148億(1991年は0.1億、2001は1億、2011年に70億)
・ 一人あたり年間2個ばらまいていることになる。これが2次曲線的に増加している。

・ スマホ 95%以上、タブレット85%以上、ウェアラブル 90%以上、ストレージ90%以上、車載情報機器 95%以上、マイクロコントローラ25%以上、通信機器60%以上、家電製品55%以上 の占有率がある。(2015年9月15日 Capital Markets Day presentationでの発表時点での数値)

 

・ 製品ラインナップ

・ Cortex-A  ハイパフォーマンス 高機能製品向けスマホなど
・ Cortex-R  高速レスポンス リアルタイム処理向け
・ Cortex-M  小型、省電力 マイクロコントローラ向け
・ ARMのコアをベースにしたチップがたくさんある

・ Apple A9プロセッサはAppleが作っているが、その中にはARMv8という64bit (Dual core)が入っている。(=アップルはSystem on chipという考え方である)

・ QUALCOMMのチップはiPhone以外で(つまりアンドロイドで)一番使われているが、その(Snapdragon810)の中にも使われている。A57 4コア、A53 が …

・ Tegra X1  も A57×4コア A53×1コアを使用する
・ Exynos 7420 (SAMSUNG)にも入っている  …..
・ MT6753(MRAMEDIATEK) A53x8コア (8コアあったほうが電池の消費が小さい=「big little」と呼ばれる設計)
・ OMAP 5432 …
・ RENESAS …
・ Infineon XMC4700 は M4×1コア

 

・ あっという間に100万倍になる。

・ 2009年との比較

・ GPU200倍、通信20倍、解像度24倍、処理性能100倍、センサー数5倍 たった5年でこんなになった。30年あると、ものすごい倍数になる。
・ 2の20乗が100万倍 2倍を20回繰り返せば100万倍になる。
・ なぜ私が30年後に100万倍と言ったかというと、今まで1年半で2倍になっているから。

 

・ 自動車にも沢山入っている。

・ すでに走るスマートロボットに近い状態である。
・ 事故を一切起こさない走るスーパーコンピュータ、スマートロボットになる。事故を起こしたら「それは人間が運転しているからでしょ」

・ 2020年のIoT予測

・ スマートホーム 16億個、スマートシティ15億個、その他デバイス11億個

 

・  求められる価値の違い、変遷

・ デバイスと価値

・ PC:性能、価格
・ ノートPC:性能 価格 電池寿命
・ スマホ:性能 価格 消費電力
・ IoT:性能 価格 消費電力 セキュリティ&スケール

 

・ 上記の中で、「消費電力」が鍵。

・ ARMは消費電力に強い(消費電力が低い)
・ 古くは、漏れ電力程度でも動作した。ARMは、それが生まれた時から省電力である。
・ インテルとは全く別の進化系のものがARM。

・ だからARMはスマホに向いている
・ 電池一個で10年ぐらい持って欲しい。

・ シープドッグ(羊小屋に戻すための犬)
・ シープドローンというのを最近自分は発明した
・ 「羊の首輪にIoT」という感じ。
・ こんな発明のためには、10年ぐらい電池が持って欲しい。だから低消費電力が必要
・ だからARMが必要

・ Mにもいろいろな種類がある

・ 上位互換チップの設計になっている
・ M0 90nm
・ M0+, M3, M4, M7

・ それぞれ機能が違い、電池の持ちも異なる。
・ Cortex-M  2015年度64億個出荷 2mmx1.6mmの大きさ=ゴルフボールのディンプルぐらいの大きさ

 

・ mbed Clients

・ mbed OS and Trust Zone
・ IoTといえば、mbed OS
・ mbed Device Server and Cloud Services

 

・ 世界にばらまかれるときに大切になるのはセキュリティ

・ 今から20年もすれば1兆個も配られることになる。

・ だれか悪い人がIoT機器に世界同時にハッキングをすると、世界で同時に悪さをする。世界中を飛んでいる飛行機が一緒に墜落する。世界中を動いている自動車のブレーキがかかって全部止まる、といったようなことが起こる。

・ テロというのは今までのような自爆テロのような初歩的なものではなく、もっと高度になる可能性がある。
・ 好むと好まざるとにかかわらずやってくる世の中。サイバーテロをされると困る
・ だからARMのTrustzoneは重要。

・ 個人認証、モバイル決済、コンテンツ保護、法人セキュリティ
・ そのほか原子力発電所のセキュリティなど。

 

・ なぜセキュアなのか

・ 通常のアプリケーションを行うのは、一般的なアプリケーションプロセッサ(Non Trusted)が行う
・ Trustzoneは、セキュアな部分として、一般のインターネットからはアクセス出来ない形で遮断されている)
・ ハードウエア毎に(ハードウエア的に)個別のセキュリティを持っている

・ ARMイノベーションの源泉

・ 1300を超えるライセンス
・ 14億台のスマホ
・ 860億超のチップ出荷
・ 173ライセンス契約
・ 300超 Cortex-Mライセンス
・ 148億個チップ出荷
・ 500超ライセンス
・ 1300社を超えるパートナー

・ まさにプラットフォームを提供している。

 

▼次のパラダイムシフトを牽引

・ ソフトバンク+ARM
・ ソフトバンクは、「情報革命屋さん」
・ 情報革命のために、私は生涯を捧げる

・ 19歳の時からパソコンがあった。電子メール、アプリケーションソフトウエアはあった

・ ソフトバンクの社名の由来は、「ソフト」の「バンク」
・ 広義のソフト=ソフトウエア(知能)+データ(知識)
・ 今で言う「クラウド」を創業時から意識していた
・ 19歳のときに感涙にむせんだときから、すでに意識していた。
・ 非連続性の進化をソフトバンクは遂げてきた

 

・ スローガン「情報革命で人々を幸せに」

・ 不治の病をこの世から消え去らせて
・ 事故の起きない社会のインフラに進化させる
・ 自然の大災害から人類を守る
・ これから300年ぐらいやっていく

 

▼Pepper

・ Pepperの、これまでのロボットとの違い

・ 手足が動くことではない
・ 感情エンジンを持っていることが違う
・ 後世の人が感謝してくれるポイントである。
・ 知能の意味では遥かに超えてしまう。
・ 感情を(最初に)内包させることで、これが後に作用する。
・ ダースベイダーではなくて、ジェダイになる。

・ 感情をコントロールする3つの脳内ホルモン

・ ドーパミン
・ ノルアドレナリン
・ セロトニン

・ この3つの脳内ホルモンをエミュレーションした

・ Pepperは始めてみた人に緊張する
・ 家族に対しては安心する

悦・喜・愛・楽・安心
辛・苦・怒・不安

 

 

▼ 感情エンジンがはじめてホンダの車に入る

・  以下、松本吉朗氏の講演

・ 本田宗一郎創業者社長のことば

・ 技術があればいいんだというような考えは大変な間違い
・ 技術は人間に奉仕する一つの手段
・ 人間に役立たない技術だったらないほうがいい。
・ 人間様が買ってくれるということを考えると、人間の真理というものを、研究員一人ひとりが知る必要がある。

 

▼ホンダの企業活動

・  SED

・ S セールス、 E エンジニアリング D 商品開発

・ Dは研究所として、ホンダ本体から独立させていることが特徴

・ データの活用を進めたい

・ ホンダは世界ではじめてカーナビを作った(高原注:当時はGPSがなかったので、ガスレートセンサーでやっていたはず。コンセプトはすごかった!)
・ 1997年にコミュニケーション機能を持つ「インターナビシステム」を作った。今風に言えばコネクテッド・カーの走り。

・ (一部コンピュータクラッシュでデータ消失)

・ 2016年までに、フローティングカー データによって、災害時の通行実績情報などを提供できるに至った。

 

▼ホンダとSBとの共同研究

・ HONDA innovation lab Tokyoを9月に開設予定

・ モビリティが、運転者と会話、感情を把握
・ モビリティも感情を持つ
・ あたかも相棒のような車
・ 運転者は愛着を持って接することができる。

・ お部屋、カーシェア、ディーラー、ホンダ製品、ROAD Hints すべてにおいて同じ感情を持った「相手」がいる
・ 画像認識技術を使えば、「最近は向こうの花壇で花が咲いていてキレイですね」といった会話もできるようになると期待している。

・ (イメージ動画を再生)

・ ドライバーの若い女性が、クルマと会話をしていくうちに、クルマがドライバーのことをよく知るようになる。

 

▼IBM Watson

・ 日々人々が利用するプラットフォームを作ってきた

・ ものすごい数の天気予報をしている
・ たった20ヶ月で過去何十年もの蓄積を超えることができた
・ AIという分野で人と機会が協業するのはワクワクする

・ 人間の、データ利用における「拡張機能」

・ インターネットでは「目に見える」「構造化された」データ(構造化されたデータ=全データの20%でしかない
・ 残りの80%のデータを活用する→うんと拡張できる。
・ データ活用のみでなく、未来を予測することもできるようになってきた。
・ 人間と自然にやりとりするようにした

 

・ いくつかの事例を紹介する

・ 4つの分野

・ 知覚・感覚
・ 言語
・ 視覚
・ 会話
・ Emotionalなintelligence
・ マシンが人の感情を理解できるようにする
・ 日本で新しいワトソンデータセンターを作る

 

・ 健康管理

・ パーソナライズした健康管理(Under Armour
・ 毎日ワトソンの解析でいろいろな支援をくれる
・ 進捗状況
・ 人と競う(どのぐらいのワークアウト時間が平均か、など)

・ Medtronic

・ 夜中に何度も起きて血糖値を測らなくてはならない患者(とその面倒を見る家族)
・ 血糖変動に関してワトソンからcognitive analysisで低血糖発作の予測情報を的確にもらえるので、寝ることができる。

 

・ 意思決定に関する支援

・ ショッピングセンターにおける買い物支援
・ どこに婦人服が売っているか

・ ホテルフロントにおける支援
・ コニー(ヒルトンの創設者の名前)と名付けられたロボットが、ホテルの特徴や、アメニティ、観光地などを把握している。

 ・ 知識の活用

・ 会社内のファイルが膨大にある。
・ 技術的情報や知識を提供する。確信度で意味づけした答えを提供できる。ワトソンは退職しない。

 

・ 自動運転型バス

・ 自動運転、周囲の情報をすべて取得、いろいろな情報を提供する。
・ バスは同じルートを走るので、初期の情報提供サービスとして、始めるのに適している。乗客が乗るときによくする質問に答えられるようになっていく。

 

・ 求人情報のマッチング

・ フォーラムエンジニアリング社事例
・ 65%がワトソンでマッチングしている。
・ 将来的には cognitive technologyを活用してプラットフォームを作りたい。

 - Computer

  関連記事

スクリーンショット 2014-10-12 6.05.00
音声認識でメール・一般原稿を入力

これは以前のホームページの記事です(2004/10) 放射線科医師用AmiVoi …

スクリーンショット 2014-10-12 20.30.10
MacのキーボードからiPhone(スマートフォン)に直接文字を入力する (Type2Phone) [1]

(2012/1/14) これは、Macのキーボードから、iPhone上のメールア …

スクリーンショット 2016-07-12 7.39.55
▼ メディカテッセン ライターデビュー (^^)

白衣のクラシコさんが最近提供を始めた「メディカテッセン(Medicatessen …

epson_scr
エプソンスクエア見学(プロジェクタ・プリンタ・ポスター) (

これは以前のホームページの記事です(2002/1/26)

スクリーンショット 2015-10-06 11.09.10
無料スケジュール調整サービス「伝助」

多くの人が集まるイベントで、スケジュールを調整するのはなかなか大変ですね。今日ご …

スクリーンショット 2014-10-12 20.50.21
AmiVoice(音声認識)を3倍便利に使う方法

意外と盲点になっている、SpeechMikeの便利なボタンについて説明しますね …

sum2
iPhoto発表

これは以前のホームページの記事です(2002/1/9)

kj100b3
ワイヤレス・プロジェクターシステム

これは以前のホームページの記事です(2001/2/27)

DSR_PDA
最近の音声認識 2002年

これは以前のホームページの記事です(2002/11) (1) AmiVoice音 …

WS000006
動画上の患者名の消し方 (Win & Mac)

これは以前のホームページの記事です(2001/2/27)