放射線科医・MRI専門家の高原太郎個人ブログ

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BMW i3 長距離試乗レポート その3

      2017/04/24

2. 高速道路ではどうか

さて試乗では、ニコルBMWから、レンジエクステンダー(発電エンジン)付きの車両をお借りしました。給電口の他に、給油口があるのがエクステンダー付き車両です。

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加速は高速でもベリーナイス!

小気味よい走りを感じながら国道246号をスルスルと進むと、すぐに東名に入ります。うん、加速は全く問題ありません。というか、とても速い!

i3には3つの走行モードがあって、走りのモードは「COMFORT」といいます。走りが気持ちよくなるからコンフォートなんですね。まっエコカーだから、SPORTモードとは言いにくいんでしょう (^^)

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そのほかに、フツーのエコモードである「ECO PRO」と、最高速90キロ制限とエアコンオフになる「ECO PRO+」があります。最後のは、航続距離に不安を感じた時に選択するでしょうから、実質的には「COMFORT」か「ECO PRO」で走ることになります。

ECO PROにすると最大パワーに制限がかかりますが、電費向上に寄与するのは主にアクセル開度に対するクルマの反応です。ECO PROモードだと、踏みしろが小さい時にはあまりパワーをださないのですね。普通のエンジン車でも最近はこういった、アクセル開度に対する調整機能が装備されているものが多くなっています。

実はクルマって後付けでも、スロットルコントローラーというのをつけると、「ウソ!?」っていうぐらい、めっちゃ機敏になるんですよ。燃費は悪くなりますけどね。

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COMFORTではとてもスポーティで、びっくりするぐらい加速しますし、ECO PROでも「これで何か不満?」と思う程度の十分な加速をします。100キロ+でのフル加速も試しましたが、追い越しでもぜ〜んぜん問題なしです。このクルマ、加速に不満を感じる人はいないのではないでしょうか。

ハンドリングは・・・ (^^;;

ところがです。ハンドリングは、「どうしちゃったのBMW?」と言う感じでした。道路の窪み(浅い轍(わだち))が路面にはありますが、これを常に拾ってしまうんですね。いつも左右に振られている感じで、収束しにくい。常に修正舵が必要です。

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おまけに、今どきのクルマではとても軽い力で修正できるのですが、i3ではなぜかかなり操舵力が重いのです。だから、「強い力で、小さく修正する」作業の繰り返しになります。

また、「修正すればいいでしょ」というものでもなく、常に横方向のヨーが発生していると、乗っていて落ち着いた気持ちになりにくいのです。死語かもしれないけど、「ワウ・フラッター」の「乗り心地版」みたいな感じ。したがないので、着座位置を高くして、太腿とステアリングの距離を短くし、手首を大腿につけてステアリングを持つことで、なるべくラクをしていました。

異型タイヤがひとつの原因?

しかしこれはどうしてなんでしょうね。BMW i3のタイヤがすごく大径 (19インチ)であるのにものすごく細い(フロントは155mm=155/70R19)ことと関係があるのかなぁ。ちなみに、リアは、i3では155/70R19で、i3エクステンダーでは175/60R19です。

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今回、i3の開発にあたってBMWはこの異型タイヤを肝いりで開発したと聞いています。タイヤの幅はおそらく電費に直結するので細くしたい。しかしEVにはそれなりの重量がありますから、これを受け止めるために、タイヤの荷重係数を高く保持したいし、横方向のグリップはきちんと発揮させたい。

これらの相反する要求を満たすために、タイヤ幅は細くするけど、タイヤ径は大きくして、接地面積はある程度確保するようにしたと聞いています。

昔、「クルマは、ハガキたった4枚の面積で地面に接しています。だからタイヤ選びがとても大切」といった説明をしていたタイヤ広告がありました。友達(お互い峠の走り屋だった)の一人はこの広告にインパクトを受けて、「いまこのタイヤ買ってくるw」という感じで選んでいたのを覚えています。その「ハガキ(接地している部分の形状)」が、普通よりもずっと細長〜くなっている感じなんですね。

他の利点を考えれば納得できるかな?

素人の僕には、フラつきの理由は分かりませんが、とにかく僕が感じたのはそういうことで、いまいち高速でのハンドリングついてはハッピーではありませんでした。ただ、毎日の通勤で高速に使うにはちょとアレだけど、たまの週末の遠出で高速に使う程度なら、他の多くの利点(次に書くワインディングでは超楽しい)を考えれば納得できるかな〜と思います。

帰庫時に、念のためタイヤ空気圧は聞きましたがこれは大丈夫とのことでした。

レンジエクステンダー付きのものは、発電エンジン搭載(リア)により130kgリアヘビーになっています(i3が1260kg、i3エクステンダーが1390kg)。BMWの方からは「次はEVのみ車両もぜひ高速で試して比べて下さい」とお誘いをいただいたのでぜひしようと思います。また今回は一人での試乗だったので、ファミリーユースの定員(4名)乗車すると印象は変わるかもしれませんね(つづく)

 

 

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